新規事業として、農業に参入できないか。
本業とは別の柱を探している企業の方に向けて、この記事を書きました。

結論からお伝えします。企業の農業参入で課題になりやすいのは、農業技術の習得・販路の開拓・農地の確保の3つです。日本政策金融公庫の調査では、参入時にこれらを課題に挙げた企業が、それぞれ69.2%・60.8%・56.7%でした(2011年度の調査)。

植物工場なら、農地ではない場所で始められます。そして当社GPFは、技術と販路をセットでお渡ししています。
この記事では、公的な調査から見える参入の課題と、植物工場で売り先から逆算して事業を組み立てる方法をお伝えします。

結論:企業の農業参入は、販路から逆算すると計画が立てやすい

農業参入というと、まず「どこで、何を作るか」から考えがちです。
けれど事業として続くかどうかを決めるのは、作ったものを、利益の出る値段で買ってくれる相手がいるかどうかです。

当社の代表が運営する大阪・梅田のレストラン「ガレリア梅田」では、店の植物工場が15年動いています。
そして15年かけて、東京都港区と大阪市福島区を中心に、約1,000件の高級レストランとの取引が立ち上がりました(2026年9月時点)。

大手の植物工場は、量で勝負して、原価割れで次々と撤退しました。
当社は高級野菜だけに振り切ったことで、続けてこられました。売り先を決めてから作る。この順番が、企業の新規事業でも土台になります。

では、実際に農業に参入した企業は、どこでつまずいてきたのでしょうか。

企業の農業参入で課題になりやすいこと(公的な調査から)

日本政策金融公庫は、全国の農業参入企業を対象にアンケートを行い、参入時と参入後の経営課題をまとめています。少し前の調査ですが、課題の顔ぶれは今も参考になります。

経営課題 参入時(120社) 参入後・平均7年5か月後(109社)
農業技術の習得 69.2% 49.5%
販路の開拓 60.8% 46.8%
農地の確保 56.7% 24.8%

出典:日本政策金融公庫「企業の農業参入に関する調査」(2013年2月13日発表)の別添。2011年度に全国の農業参入企業422社へ郵送で調査し、138社が回答。

農地の確保は、参入後には課題に挙げる企業が大きく減っています。
一方で、技術と販路は、参入から平均7年5か月たっても、半数近くの企業が課題に挙げています。

同じ発表では、参入後5年以内に黒字化を果たした法人など27社への聞き取りから、うまくいっている企業の共通点も挙げています。

  • 参入前に、研修などでしっかりと生産技術を身につけている
  • 日当たりや用排水などの条件を確かめ、作物に合った農地を確保している
  • 販路の開拓に自ら取り組み、利益を確保できる単価で販売している
  • 運転資金の面で、本業の経営が安定している

反対に、対応に苦労している例としては、「販路開拓を取引先等に任せてしまい、買い手と直接交渉していない」ことが挙げられています。

LEDの栽培棚で育つ葉物野菜の状態を確かめるスタッフ

3つの課題のうち、植物工場で大きく変わるのが「農地」です。

農地を使わない参入としての植物工場

企業が農地を借りて農業に参入する場合は、原則として市町村の農業委員会の許可が必要です(農地法第3条)。
宮城県の企業向けの案内では、農地を所有できる法人以外が農地を借りる場合の要件として、次の3つが挙げられています。

  • 貸借の契約に、解除の条件が付いていること
  • 地域の中で、適切な役割分担のもとに農業を行うこと
  • 役員または重要な使用人のうち、1人以上が法人の行う耕作などに常時従事すること

一方、同じ案内では、農地を使わずに非農地で養液栽培などを行う場合について、「今の法人形態のままでも可能」「農地を使用していないので、農地法の制限はありません」と説明しています。

当社の植物工場は、屋内に置くユニットです。大型ユニットの設置先には、農業法人の施設、企業の遊休スペース、専用の工場などがあります。小型ユニットなら、8畳間相当(長さ4.5m×奥行2.5m×高さ2.5m)の屋内に置けます。

ただし、土地や建物の扱いは場所ごとに違います。
農地の上に建てる場合などは別の手続きが関わることがあるため、設置する場所が決まったら、市町村の農業委員会に確認してください。

農地の課題が軽くなると、残るのは技術と販路です。
ここを、当社がどう一緒に担うかをお伝えします。

当社と組む2つのかたち(代理店モデル/事業モデルの譲渡)

企業の新規事業としてのご相談は、2つのかたちからお選びいただけます。

かたち 内容
A. 代理店モデル 手数料15%。地域の代理店として、当社の仕組みを動かす形です。東京エリアはすでに代理店モデルで動いています
B. 事業モデルの譲渡(完全独立モデル) 当社の事業モデルを譲り受け、地域ごとに販売・生産・配送までを一貫して立ち上げる形です

東京エリアでは、代理店モデルに移ってから、当社が直接営業をしないまま、月20〜30軒のペースで新しいレストランとの取引が続いています(2026年9月時点)。

どちらのかたちでも、販売・生産・配送をひとつながりで回すことが、事業の土台になります。
先ほどの調査が示すとおり、販路を人任せにしないことは、参入がうまくいくかどうかに関わります。当社は受発注の仕組みと、「契約が取れるようになるまで」の販売指導をお渡ししますが、売る力を社内に育てていただくことが前提です。

事業の組み立ての詳しいところは、サイトだけではお伝えしきれません。個別の面談で、代表の池田から直接ご説明しています。

窓の向こうに植物工場の栽培棚が見える、レストランの客席

必要な投資と体制

企業の新規事業として始める場合の目安は、次のとおりです(2026年9月時点)。

項目 目安
ご予算 数千万円〜数億円(複数ユニットの段階的な導入、販売・配送の仕組み、人員を含む)
ユニット 大型ユニット400万円〜。複数台を組み合わせて段階的に広げます
体制 専任チームを編成していただき、当社が販売から配送の仕組みづくりまで並走
目標 1事業として年商億単位
向いている業種 食品流通業者・農業法人・地域商社・中堅メーカー・地方卸など

代表の意思決定で動ける、中堅・中小規模の企業が中心です。
当社の植物工場は、長野県小海町(地域おこし協力隊の事業を通じた導入)、東京大学、筑波大学、北海道電力にも納めてきました。

当社が技術を数字で組み立ててきたのは、代表の池田がピザ生地づくりで「美味しさは科学だ」と気づいたことが始まりです。変数を一つずつ動かして記録し、同じ条件を整えれば誰がやっても同じ味が作れる。この考え方は、企業の専任チームで栽培を分担するときにも生きます。

始め方の全体は企業の新規事業として始める、ユニットの仕様は大型ユニット、販売の仕組みは販売支援、納品先は導入実績のページにまとめています。

よくある質問

Q. 植物工場で農業に参入するのに、農地法の許可は要りますか?

A. 宮城県の企業向けの案内では、農地を使わずに非農地で養液栽培などを行う場合は「農地法の制限はありません」と説明されています。農地を借りる・農地の上に建てるなど、農地が関わる場合は手続きが変わるため、設置場所が決まったら市町村の農業委員会にご確認ください。

Q. 野菜の販売は、すべて任せられますか?

A. 当社は受発注の仕組みと販売ネットワークへの接続、「契約が取れるようになるまで」の販売指導をお渡しします。ただ、事業として続けるには、販売・生産・配送をひとつながりで回す体制が土台になります。売る力を社内に育てていただくことが前提です。

Q. 立ち上げには、どのくらいの期間がかかりますか?

A. 一度に大きく始めるのではなく、段階的に広げていきます。期間は事業の規模や体制で変わるため、個別にご提案します。

Q. 量販店向けに大量に出荷する計画でも相談できますか?

A. 当社は、量ではなく味で勝負する高級野菜に絞っています。量で勝負する計画には、当社のモデルは向きません。売り先の考え方も含めてご相談いただければ、率直にお話しします。

まずは、事業構想をお聞かせください

企業の農業参入は、作る前に売り先を決めておくほど、計画に無理が出にくくなります。
当社は、15年かけて積み上げた売り先の仕組みごと、新規事業の立ち上げに並走します。

植物工場・野菜工場のご相談は、大阪・山梨を拠点に全国対応のGPF株式会社まで。
事業化シミュレーションは無料です。代表の池田が直接対応します。

フォームのご相談カテゴリは「植物工場事業化ご相談(無料)」を、ご予算は「数千万円以上(企業の新規事業)」または「400〜1,000万円(複数台導入)」など、近いものをお選びください。
お問い合わせフォーム(事業化シミュレーション無料)はこちら

参考

  • 日本政策金融公庫「参入前の確実な技術習得、利益がでる単価での販売や本業の経営安定などが参入成功のポイント-日本公庫・企業の農業参入に関する調査-」(2013年2月13日) https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_130213a.pdf
  • 宮城県「企業の農業参入」(2026年6月26日掲載) https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/nosin/nougyoukigyousannyu.html