農福連携に取り組みたい。 けれど、うまくいかなかった話も耳にする。 そんな迷いから、農福連携のデメリットを調べている方へ向けた記事です。

結論からお伝えします。 農福連携でつまずきやすいのは、季節や天候で仕事が途切れること、作業の切り分け、作った野菜の売り先、そして農業側と福祉側の調整の手間 です。 室内の植物工場で減らせるのは、主に天候と季節の影響です。 売り先は始める前の設計しだいで、作業の切り分けと調整の手間は、室内でも残ります。

当社GPFは、福祉の専門家ではなく、植物工場のメーカーです。 この記事では、国の「農福連携等推進ビジョン」などの公的資料をもとに難しさを整理し、室内の植物工場で減らせること・減らせないことを分けてお伝えします。

農福連携とは。国の資料に書かれている課題

農林水産省は、農福連携を「農業と福祉が連携し、障害者の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、障害者の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現していく取組」と説明しています。

農業経営体や障害者就労施設などによる取組主体は、令和元年度末の4,117件から、令和4年度末には6,343件に増えました。 さらに、高齢者施設なども含めて「農福連携等」に取り組む主体を、令和12年度末までに1万2千以上にする目標が掲げられています(農福連携等推進ビジョン 2024改訂版、令和6年6月)。

一方で、同じビジョンには、取り組む前に挙がりやすい懸念も書かれています。

  • 農業経営体からは「農業生産の高コスト化を招くのではないか」
  • 障害者就労施設などからは「障害者等が適応できる作業があるのか」
  • 農繁期に作業が集中するなどして、時期や地域によって、農業と福祉の需給にずれが出る

ビジョンは、こうした課題を「知られていない」「踏み出しにくい」「広がっていかない」の3つに整理しています。 デメリットというより、始める前に手当てしておくべき点と考えると、打つ手が見えてきます。

屋外の畑で起きやすいこと

よく挙がる難しさを、屋外の畑で取り組む場合に起きやすいことと合わせて整理しました。 ここに書いたのは一般によく言われることで、地域や作物によって違います。

難しさ 屋外の畑で起きやすいこと
仕事が途切れる 雨の日や真夏・真冬は作業が減る。農繁期に作業が集中し、そうでない時期は仕事が少なくなりやすい
作業の切り分け 季節ごとに作業の内容が変わり、そのたびに手順を組み直す必要がある
移動と付き添い 畑まで移動し、支援員の方が付き添う必要がある
売り先 収穫の時期に量が集中し、売り先が足りなくなることがある
調整の手間 農家と事業所のあいだで、作業内容・日程・受け渡しのルールを決める必要がある

実際に取り組んでいる現場の声も、公的な事例集で読むことができます。

新潟県農福連携推進連絡会議の事例集では、就労継続支援B型事業所が「大変だったこと」として、誰が作業を行っても同じ品質になるような作業方法の工夫(標準化)と、施設の外での作業に同行するスタッフの確保を挙げています。 作業日(曜日)を固定して、同行するスタッフの予定を組みやすくした工夫も紹介されています。

植物工場の育苗スペース。種から育てている苗のトレーが、棚の段ごとに並んでいる

室内の植物工場で減らせること・減らせないこと

では、室内の植物工場にすると、何が変わるのか。 減らせることと、減らせないことを分けてお伝えします。

項目 室内の植物工場では
天候・季節 減らせる。天候に左右されず、年中同じ作業がある
畑までの移動 事業所の建物の中に置ければ、移動はなくなる
作業の切り分け 一部。工程は決まっているが、誰が何を担当するかの設計は事業所ごとに必要
売り先 室内にしただけでは解決しない。始める前に、誰にどれだけ売るかを決めておく必要がある
調整・指導の手間 減らせない。支援員の方が栽培を覚え、作業を見守る手間は残る
初期費用 かかる。当社の小型ユニットは250万円〜、整備済みの中古は165万円〜(2026年5月時点)

当社の植物工場は室内型なので、天候に左右されず、年中安定して出荷できます。 栽培に慣れるまでの手間については、30日間の試運転期間は当社が並走し、気温・湿度・水質をスマートフォンで確かめられる仕組みでもお手伝いします。

雨や季節に左右されない室内で、白衣姿のスタッフが葉物野菜の栽培棚を確かめている様子

ただし、室内にすれば全部うまくいく、というわけではありません。

新潟県の事例集には、完全室内型の水耕栽培設備を入れた就労継続支援B型事業所も載っています。 この事業所は、良かったこととして、付加価値のある商品を多様な販路で販売でき、施設利用者の工賃向上につながったことを挙げています。 そのうえで、続けるための工夫として、地域内外の関係者や企業と連携した販路や働く場の確保、作業環境の安全性の強化、作業の標準化を挙げています。

室内でも、売り先づくりと作業の標準化は欠かせない。 私たちも、そう考えています。

農福連携のメリットも、正しく知っておく

難しさだけでなく、メリットも公的資料で確かめておきましょう。

農福連携等推進ビジョン(2024改訂版)が引いている令和4年度の調査(一般社団法人日本基金)では、農福連携に取り組む農業経営体の半数以上が「農産物の年間売上高が増加した」「収益性向上に対する効果あり」と回答しています。 福祉サービス事業所の半数以上は「過去5年間の平均賃金・工賃が増加した」「体力がついて長時間働けるようになった」「表情が明るくなった」と回答しています。

また、令和6年5月に成立した改正食料・農業・農村基本法では、第46条に農福連携が位置づけられました。

人手が足りない農業と、働く場を広げたい福祉。 両方にとって意味のある取り組みだからこそ、難しさを先に知り、続けられる形で始めることが大切だと考えています。

事例と相談先の探し方

これから始める方は、次の公的な情報から当たるのがおすすめです。

  • 農林水産省「農福連携の取組事例」:全国の事例集と、各地方農政局が公表している事例がまとめられています
  • 新潟県農福連携推進連絡会議の事例集:取り組んだきっかけ、良かったこと・大変だったこと、続けるための工夫が、事例ごとに書かれています
  • 都道府県のワンストップ窓口:ビジョンでは、都道府県の段階でのワンストップ窓口の設置や、農家と事業所のマッチングを進めるとしています。 窓口の一覧は農林水産省のページで確かめられます

事例を読むときは、「何を育てているか」よりも、「作業をどう分けたか」「売り先をどう作ったか」に注目すると、自分たちの計画に生かしやすくなります。

事業所ご自身が室内の植物工場で野菜を育てる形なら、設備・費用・売り先の考え方を当社にご相談ください。 当社の販売の仕組みは、 販売支援 のページでご紹介しています。 福祉事業所で育てた野菜をどこへ届けるかは、場所と体制を伺ったうえで、一緒に考えます。

よくある質問

Q. 植物工場で農福連携をすると、工賃は上がりますか?

A. お約束はできません。 工賃につながるかどうかは、育てた野菜をどこへ、いくらで売れるかで大きく変わります。 売り先の設計は、ご相談の中で一緒に考えます。

Q. 農業の経験がない事業所でも始められますか?

A. 30日間の試運転期間は、当社が並走します。 バジルやフリルレタスなどから段階的に覚える栽培カリキュラムがあり、気温・湿度・水質はスマートフォンで確かめられます。

Q. どのくらいの広さが必要ですか?

A. 当社の小型ユニットは、長さ4.5m・奥行2.5m・高さ2.5m(8畳間ほど)の屋内が目安です。 電気や水まわりなど、建物ごとの条件はご相談の際に確認します。 ユニットの種類は 製品ラインナップ をご覧ください。

Q. まず、どこに相談すればいいですか?

A. 農家と福祉事業所の組み合わせを探すなら、都道府県のワンストップ窓口が入口になります。 事業所ご自身が室内の植物工場で育てる形を考えているなら、当社にご相談ください。 よくいただくご質問は よくあるご質問 にもまとめています。

植物工場・野菜工場のご相談は、大阪・山梨を拠点に全国対応のGPF株式会社まで。

事業化シミュレーションは無料です。 代表の池田が直接対応します。 ご予算が決まっていない方は、フォームの「ご予算」で「未定・相談したい」をお選びください。 「設置候補地」に建物の種類と広さを書いていただけると、話が早く進みます。

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→ お電話:06-6455-6677

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